船舶をはじめとする大型構造物の塗装を剥離する場合は、塗装面に砂を吹き付けるサンドブラストという方法が主流ですが、労働衛生上及び環境面において問題も発生しています。 これを受けて、米国において80年代半ばより、水ブラストあるいは水・砂を混用した水スラリ−ブラストに置き換える工法が開発されました。 その後、次第に水圧を高め、90年代初めには水のみで剥離を行う、超高圧ウォ−タ−ジェット洗浄法が誕生しました。

 UltraStrip社の創業者Dennis E. McGuireは1992年、米国で最初の超高圧ウォ−タ−ジェット洗浄法の研掃作業請負業者となりました。

 当時、機器は手動式でしたが、超高圧法の特徴として、水圧を上げれば水の吐出の際の反動圧が高まり作業員への肉体的負担が大きくなるという問題に加え、作業効率は手動法ではサンドブラスト法にも劣り、仕上がりも均質性に欠ける事が次第に明らかとなりました。

 また、同社の本拠地であるフロリダでは、洗浄後の廃水に含まれる有害塗膜片が付近の海洋生物やサンゴ礁に悪い影響を与えるとの環境団体よりの反対もあり、「作業のロボット化」、「水処理による有害塗膜片の回収」、「クロ−ズドシステムによる洗浄水の周囲への飛散防止のシステム開発」をロボット工学研究では全米一の折紙付きのCarnegie-Mellon大学のロボット工学研究所と宇宙衛星の修理ロボット等の技術蓄積のあるNASAに委託、1996年に最初の特許を取得しました。

 フロリダ半島は、南端に水棲動物が多い沼沢地域の国立公園、その南のKey Westはサンゴ礁地域、近くにNASAのケネデイ−宇宙ロケット打ち上げ基地がある等環境的にも超高圧ウォ−タ−ジェット洗浄法ロボット開発の諸条件が整っていたことが、結果的に幸運でありました。

 その後、特許を実際の機器システムとして完成させる為の試行錯誤が行われました。2001年3月米国海軍空母アイゼンハウア−号に関して、最初の研掃作業の受託を請け、成功裏に作業を終えた実績をもとに、その後海軍 ・沿岸警備隊の艦船の研掃作業を継続的に請負っています。米国外においては、世界屈指の造船・海運国である日本への工法紹介と合弁による企業進出の調査を進め、研掃作業の一貫作業受託サ−ビス会社である、当社(株式会社ウルトラストリップ ジャパン)を設立しました。
 
 又、2002年末、産油地のテキサス州ルイジアナの石油・ガスタンクの施工業者と組んで、タンク塗装の研掃作業にも本格的に進出しました。2003年末、エネルギ−関連事業のコングロマリットであるShawグル−プの環境機器部門に北米全域の一手販売権を付与し、販売面での強化を果しました。

 また、同社が特許を有する自動車塗装剥離装置についても、2003年よりSouthwestern Research, Inc.と商業用装置の開発に着手しました。塗装剥離の洗浄後の排水水処理装置は、移動可能な小型水浄化装置として水不足に悩む地域、あるいは緊急災害時の飲料水供給用に別途商業生産を開始しました。また、テロ行為により水源地が汚染された場合、その対処法として連邦政府も本格採用を検討しています。